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最高裁判所第三小法廷 昭和41年(オ)533号 判決 1967年3月14日

上告人(原告・控訴人) 林栄助

右訴訟代理人弁護士 高安安寿

被上告人(被告・被控訴人) 根本袈裟蔵

被上告人(被告・被控訴人) 根本スギ

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人高安安寿の上告理由第一点について

所論建物移築工事請負契約が注文者たる訴外林千恵と請負人たる訴外有限会社根本工務店との間に成立したものであり、その請負代金債権は右訴外人間に生じたものであることは所論のとおりである。しかし、原判決は、訴外林千恵は上告人の承諾のもとに、上告人を代理する資格をかねて、一方、被上告人袈裟蔵は訴外有限会社根本工務店の代表者たる資格をかねて、両者間で本件貸金元本三〇万円を前記請負代金中同額の部分と差引決済することを合意したものと確定したうえ、上告人と被上告人袈裟蔵間の本件貸金元本三〇万円の債権は右決済の合意によって消滅したと判断しているのであって、右の認定判断は、原判決挙示の証拠関係およびその理由説示に徴し首肯できる。

所論は、民法五〇五条の相殺の要件を具備しないことを云々するが、原判決は右法条による相殺によって本件債務が消滅したとしているのではないから、所論は採用できない。

同第二点について。<省略>

同第三点について。<省略>

同第四点について。<省略>

(裁判長裁判官 柏原語六 裁判官 田中二郎 裁判官 下村三郎 裁判官 松本正雄)

上告代理人高安安寿の上告理由<省略>

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